美容師・理容師の人数2026年最新|2027年予測と開業者数を解説

美容師・理容師の人数2026年最新|2027年予測と開業者数を解説
2026年4月 | 年次調査レポート
業界動向 / Market Analysis

美容師・理容師の人数2026年最新|
2027年予測と開業者数を解説

「美容師って今何人いるの?」「理容師はなぜ減り続けているの?」「年間どれくらいの美容室が開業しているの?」—— こうした疑問に、厚生労働省「衛生行政報告例」の最新データと独自の予測分析でお答えします。 2026年現在の実態から2027年の見通しまで、業界の全体像を数字で読み解きます。

Section 01

2025年3月末 最新公表値

令和6年度 衛生行政報告例(2025年10月21日 厚生労働省発表)

厚生労働省が2025年10月21日に公表した「令和6年度 衛生行政報告例」によると、2025年3月末時点で美容所数は27万7,752軒に達し、過去最多を更新しました。一方、理容所は10万7,995軒と11万軒の大台を割り込み、業態間の明暗がさらに鮮明になっています。

美容師数(従業者数)については施設数の確定値に過去のトレンド変化率を適用した推計で約58万7,900人、理容師数は約19万4,300人と見られます。美容師は30年以上にわたって増加を続ける一方、理容師は令和5年度に20万人の大台を割り込み、その後も減少ペースが加速しています。

美容師数(従業者)
587,900
↑ 前年比 +8,132人 / +1.4%(推計)

過去最多更新中。30年以上連続で増加。

理容師数(従業者)
194,300
↓ 前年比 −5,167人 / −2.6%(推計)

令和5年度に20万人割れ。減少が加速。

美容所数(施設数)
277,752
↑ 前年比 +3,682軒 / +1.3%(確定値)

コンビニの約4.9倍。過去最多を更新。

理容所数(施設数)
107,995
↓ 前年比 −2,302軒 / −2.1%(確定値)

11万軒台割れ。2012年から13年連続減少。

「コンビニより多い」は本当か

「美容室の数はコンビニより多い」という表現はよく聞かれますが、データで確認してみましょう。2025年3月末時点の美容所数は27万7,752軒。全国のコンビニエンスストアの店舗数(約5万7千店)と比べると、その約4.9倍に達します。郵便局(約2万4千局)の約11.6倍、薬局(約6万6千店)の約4.2倍という試算もあります。

ただし、この数字は「衛生行政報告例」に基づく登録施設数であり、実際に営業しているサロンの実数は経済センサスによる集計(2021年時点で約16万軒)との間に大きな乖離があることにも注意が必要です。廃業後も登録抹消が遅れるケースがあるためです。

Data Note
美容師数・理容師数の令和6年度値は、施設数の確定値(277,752件・107,995件)に前年度比トレンド変化率を適用した推計値です。令和5年度(2024年3月末)の確定値は美容師 579,768人・理容師 199,467人です。
Section 02

5年間の推移データ

令和2〜6年度の実績値と、令和7〜8年度の予測値

過去5年間のデータを振り返ると、美容師数は令和2年度末(2021年3月末)の54万9,935人から令和5年度末の57万9,768人へと、4年間で約3万人増加しています。増加率は年間1〜2%台で安定的に推移しており、養成学校からの新規参入が毎年1万8千人前後あることが下支えとなっています。

一方、理容師数は同期間に21万849人から19万9,467人へと約1万人減少しています。毎年の新規免許取得者数は1,000〜1,200人程度と美容師の10分の1以下で、高齢の理容師が引退しても後継者が育たない状況が続いています。

年度(年度末時点) 美容師数 理容師数 美容所数 理容所数
令和2年度(2021年3月末) 549,935人210,849人258,256軒115,456軒
令和3年度(2022年3月末) 561,475人206,747人264,223軒114,403軒
令和4年度(2023年3月末) 571,810人204,883人269,889軒112,468軒
令和5年度(2024年3月末) 579,768人199,467人274,070軒110,297軒
令和6年度(2025年3月末)推計 約587,900人約194,300人277,752軒107,995軒
令和7年度(2026年3月末)予測 約596,100人約189,200人約280,900軒約105,700軒
令和8年度(2027年3月末)予測 約604,400人約184,300人約284,000軒約103,500軒
美容師数の推移(万人)
2021年3月末
54.9万人
2022年3月末
56.1万人
2023年3月末
57.2万人
2024年3月末
57.9万人
2025年(推計)
58.8万人
2026年(予測)
59.6万人
2027年(予測)
60.4万人
理容師数の推移(万人)
2021年3月末
21.1万人
2022年3月末
20.7万人
2023年3月末
20.5万人
2024年3月末
19.9万人
2025年(推計)
19.4万人
2026年(予測)
18.9万人
2027年(予測)
18.4万人

美容師が増え続ける3つの理由

①養成学校からの安定的な供給:全国に約300校ある美容師養成学校から、毎年1万7〜1万9千人が新規に免許を取得しています。令和5年度の新規免許登録者数は18,329人でした。美容師という職業の人気は根強く、志望者数は一定水準を保っています。

②低い離職率の改善:かつては「美容師の5年以内離職率は約50%」とも言われていましたが、近年は独立開業しやすい環境(面貸し・業務委託サロンの増加)が整ったことで、免許取得後もなんらかの形で美容業界に関わり続けるケースが増えています。

③高齢化の遅れ:理容師と比べると美容師の年齢構成は若く、大量退職による急激な減少が起きにくい構造になっています。人口減少が続く日本でも、当面は美容師数が増加傾向を保つと予測されます。

Section 03

開業者数(新規開設数)の推移と廃業数

各年度中に新たに開設した美容所・理容所の件数

「開業者数」として実態に近い数値として参照されるのが、衛生行政報告例に収録されている「使用確認件数」です。これは美容所・理容所の新規開設時に保健所が実施する検査件数で、おおむね新規開業件数と見なすことができます(一部に移転・改装による再申請を含む)。

令和5年度(2023年度)の美容所新規開設数は14,304件。令和2年度以降4年連続で1万4千件台を維持しており、コロナ禍も美容室開業への意欲を大きく損なわなかったことがわかります。ただし令和5年度は前年比−4.2%と若干の減少に転じており、2026年以降は1万3千件台に入ってくると予測されます。

💇 美容所 — 新規開設数
令和3年度(2021年度)
14,778件
令和4年度(2022年度)
14,934件
令和5年度(2023年度)
14,304件
前年比 −4.2%
令和6年度(推計)
約13,800件
令和7年度(予測)
約13,500件
廃業数(令和5年度)
10,123件
新規が廃業を約4,200件上回る
✂️ 理容所 — 新規開設数
令和3年度(2021年度)
2,018件
令和4年度(2022年度)
2,018件
令和5年度(2023年度)
1,759件
前年比 −12.8%
令和6年度(推計)
約1,600件
令和7年度(予測)
約1,450件
廃業数(令和5年度)
3,930件
廃業が開業の2倍以上
美容所 新規開設数の推移と予測
令和3年度
14,778件
令和4年度
14,934件
令和5年度
14,304件
令和6年度(推計)
約13,800件
令和7年度(予測)
約13,500件
令和8年度(予測)
約13,300件

美容室の廃業率と「5年生存率」

令和5年度の美容所廃業数は10,123件で前年比9.2%増と急増しました。この廃業数は「(前年末施設数+新規開設数)−年度末施設数」から逆算した推計値ですが、コロナ禍後の物価上昇・人件費高騰・光熱費増加が廃業を後押ししていると見られます。

新規開設14,304件に対して廃業10,123件という数字から単純計算すると、開業した美容室のうち約70%が5年以内に廃業しているとも推計されます(単純計算のため実態とは異なる可能性があります)。開業数の多さが示す通り、参入障壁は低い一方で、継続的に経営を維持することの難しさも数字が物語っています。

美容室開業を検討する際は、集客・施術技術だけでなく、物件選びが収益性を左右する最重要ファクターのひとつです。賃料比率・立地・視認性・インフラ設備——これらを専門的な視点で事前調査することが、長期経営の土台となります。

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Section 04

2026年・2027年の数値予測

美容師 +1.3〜+1.4%/年、理容師 −2.6%/年、美容所開業数 −2〜3%/年のトレンドを継続適用した試算

2026年(令和7年度末)
596,100
美容師数(人)
+8,200人 / +1.4%
2027年(令和8年度末)
604,400
美容師数(人)
60万人超えへ
2026年(令和7年度末)
189,200
理容師数(人)
−5,100人 / −2.6%
2027年(令和8年度末)
184,300
理容師数(人)
18万人台へ突入
2026年 新規開設(推計)
13,500
美容所 開業件数
高水準も緩やかに減少
2027年 新規開設(予測)
13,300
美容所 開業件数
廃業超過リスク拡大
2026年 新規開設(推計)
1,450
理容所 開業件数
廃業の3倍水準が続く
2027年 新規開設(予測)
1,350
理容所 開業件数
縮小に歯止めなし

2027年、美容師60万人時代へ

現在のトレンドが続けば、2027年(令和8年度末)には美容師数が60万人を超える見通しです。これは美容師という職業が誕生して以来の史上最多水準です。ただし、日本の総人口が減少を続ける中で美容師だけが増え続けているため、「1人の美容師が担当できる顧客数」は過去最低水準に近づいています。

2025年の市場規模(ホットペッパービューティーアカデミー調べ)は美容室の上期だけで約1兆3,500億円。しかし施設数の増加ペースが市場規模の拡大を上回っており、1施設あたりの売上は構造的に圧迫され続けています。

理容師は2030年代に15万人台か

理容師数は年間約5,000人のペースで減少しています。2030年(令和11年度末)には推計で約170,000人前後まで落ち込むと試算されます。特に深刻なのが地方部で、過疎化と高齢化が重なる市町村では「近くに理容室がない」という状況が現実のものとなりつつあります。

こうした背景から、理容師資格取得の要件緩和や、美容師・理容師のダブルライセンス制度の普及促進が業界・行政双方で議論されています。2024年には国家戦略特区において「理容師資格取得における新たな修学方法」が検討される動きも出ています。

Section 05

業界が直面する3つの構造課題

数字が示す、美容・理容業界のリアル

📊
2.1人
1施設あたりの美容師数
4年連続で2.1人前後に固定。小規模・ひとり営業が主流で、生産性向上と人材育成が急務。
🔻
20万人割れ
理容師が歴史的な節目を通過
令和5年度に初めて20万人を下回り、このまま進むと2030年代に15万人台も視野に。後継者不足が深刻。
1万件超
毎年廃業する美容所数
新規開設数が多くても廃業数も高水準。物価高騰・人件費上昇が廃業件数を押し上げている。

課題①:小規模経営と低収益性

1施設あたりの従業美容師数が2.1人という数字は、日本の美容室のほとんどがオーナー+1〜2人スタッフという小規模構造であることを示しています。賃料・人件費・材料費を差し引いた手残りは決して多くなく、物価上昇局面では経営が圧迫されやすい構造です。

この課題に対応するため、近年は「面貸し」「業務委託」「シェアサロン」といった新しい経営形態が普及し、固定費を抑えながら技術者が自律的に稼ぐモデルが広まっています。

課題②:理容業の後継者問題

理容師数の減少は単なる職業選択の問題にとどまらず、地域の公衆衛生インフラの喪失でもあります。高齢者の理髪・爪切り等のケアを担う訪問理容サービスの担い手も不足しており、介護現場との連携強化が急務です。厚生労働省も2024〜2025年度中に理容師制度の見直しを具体的に検討するとしています。

課題③:過当競争と物件コスト

美容所が増え続ける中で、競合環境はますます激しくなっています。特に都市部では好立地の物件取得競争が激化しており、賃料相場の上昇が開業・継続のハードルを高めています。開業時の物件選びで賃料比率を適切にコントロールできるかどうかが、サロンの生存率に直結します。賃料は月商の10〜15%以内に抑えることが一般的な目安とされています。

美容師数は2027年に60万人超えが濃厚な一方、日本の人口減少は続いている。「1技術者あたりの顧客数」は過去最低水準を更新し続けており、量の拡大と質の向上という二律背反をどう乗り越えるかが次世代の美容室経営の核心となる。
Section 06

よくある質問(FAQ)

美容師・理容師の人数に関するよくある疑問にお答えします

2026年の美容師数は何人ですか?
令和6年度(2025年3月末)時点の推計では約587,900人です。前年比+1.4%で増加を続けており、2026年(令和7年度末)には約596,100人に達すると予測されています。確定値は令和7年度の衛生行政報告例(2026年秋ごろ公表予定)で明らかになります。
2026年の理容師数は何人ですか?
令和6年度(2025年3月末)時点の推計では約194,300人です。令和5年度に20万人を割り込んでおり、2026年(令和7年度末)には約189,200人まで減少すると予測されています。毎年5,000人前後の純減が続いています。
美容室は年間何軒開業していますか?
令和5年度(2023年度)の美容所新規開設数は14,304件です。令和2年度以降4年連続で1万4千件台を維持していますが、2026年以降は1万3千件台へ緩やかに減少すると予測されています。一方で廃業数も1万件超と高止まりしており、競争は激化しています。
美容室の数はコンビニより多いって本当ですか?
本当です。2025年3月末時点の美容所数は277,752軒で、全国のコンビニエンスストア(約5万7千店)の約4.9倍に達しています。ただし経済センサス(5年に一度の基幹統計)では実営業数が約16万軒と大きく乖離しており、廃業後も登録が残るケースがある点に注意が必要です。
理容室が減り続けているのはなぜですか?
主な理由は①高齢経営者の引退・後継者不足、②美容師と比べて志望者数が少ない(毎年約1,000〜1,200人の新規免許取得者に対し廃業数は年3,900件超)、③美容室との競合激化、の3点です。構造的な問題のため、短期での回復は難しい状況です。
美容室を開業するのに適した物件の選び方は?
美容室の開業では給排水・電気容量・換気設備などの設備要件のほか、立地・視認性・賃料比率(月商の10〜15%以内が目安)のバランスが重要です。美容室に特化した不動産サービスを活用することで、開業適性の高い物件を効率よく探せます。また、内見前に出店調査レポートを入手しておくことで、競合環境や商圏特性を事前に把握できます。
Data Notes
① 美容師・理容師数の令和6年度値は施設数確定値にトレンド変化率を適用した推計値。令和7年度以降はトレンド継続を仮定した試算値であり、確定値ではありません。
② 新規開設数は使用確認件数をもとにした近似値で、移転・改装による再申請を一部含む場合があります。
③ 廃業数は「(前年施設数+新規開設数)−年度末施設数」から算出した推計値です。
④ 主要情報源: 厚生労働省「衛生行政報告例」(令和3〜6年度)。令和6年度分は2025年10月21日公表。
Beauty Industry Report © 2026 | データ出典: 厚生労働省 衛生行政報告例 令和6年度まで確定 / 令和7〜8年度は推計・予測値