美容室の内装工事費用の平均はいくら?坪単価の相場と総額の目安を業態別に解説

独立開業を進めるうえで、開業資金の大半を占めるのが内装工事費用です。「坪単価はいくらが相場なのか」「うちの規模なら総額でいくらになるのか」「業態によって費用はどう変わるのか」──実際の見積もりを取る前に、相場観を持っているかどうかで判断の精度が大きく変わります。

本記事では、美容室の内装工事費用の平均を、坪単価・坪数別・業態別・内訳別の4つの視点で分解し、費用を抑える方法から業者選び・融資との関係まで、年間108店舗の支援実績から実務目線で整理しました。

美容室の内装工事費用の平均はいくらか?

ポイントは3個:
① 平均は坪単価70〜80万円前後
② 坪数と業態で総額が変動
③ 内装費は開業資金の大半を占める

美容室の内装工事費用は、坪単価70〜80万円前後が一般的な平均値です。7坪の小規模サロンなら400〜700万円、20坪の中規模なら1,000〜2,000万円が目安となり、坪数と業態により総額が大きく変動します。開業資金全体800万〜1,500万円程度(内装などの内容により変動)のうち、内装費が大半を占めることを前提に資金計画を立てます。年間108店舗の開業をサポートしてきた経験から言えるのは、内装費の相場観を持たずに見積もりだけを頼りに判断するサロンほど、想定外の追加費用に直面するケースが多いという点で、複数の視点で相場を押さえておくことが重要です。

相場を捉える4つの視点

①坪単価:グレードごとの単価感/②坪数別:総額の大枠/③業態別:一人・中規模・大型で変わる金額/④内訳別:どの工事にいくらかかるか。4つを組み合わせて相場を把握すると、見積もり比較の精度が上がります。

坪単価の相場はどれくらいなのか?

ポイントは3個:
① スタンダードは坪70〜80万円
② デザイン重視は坪100万円以上も
③ 居抜きなら坪単価を大幅に抑えられる

坪単価の相場は、内装のグレードにより大きく変動します。スタンダードなカット・カラーサロンで坪70〜80万円が一般的で、床材・壁材・照明・什器を一定のグレードで揃えるレベルの費用感です。デザインにこだわる高単価サロンやコンセプト重視のサロンでは、坪100万円以上になるケースもあります。一方、居抜き物件を活用すれば、内装費を数十万〜200万円程度の改装費に抑えられる場合もあり、坪単価という考え方自体が変わります。支援の中で気づいたのは、坪単価のブレは素材と設備のグレード選択によるところが大きいという点で、こだわる項目と抑える項目のバランスが判断の鍵になります。

グレード別 坪単価の目安

グレード 坪単価の目安
シンプル・機能重視 50〜70万円
スタンダード 70〜80万円
デザイン重視・高単価 100万円以上
居抜き活用 数十万〜200万円の総額

坪数別の総額目安はどれくらいか?

ポイントは3個:
① 7坪:400〜700万円
② 10坪:700〜1,200万円
③ 15〜20坪:900万〜2,000万円

坪数別の内装工事費用の総額目安は、7坪で400〜700万円、10坪で700〜1,200万円、15坪で900〜1,500万円、20坪で1,000〜2,000万円が一般的です。これはスタンダードグレードの坪単価70〜80万円前後で計算した数字で、デザインを凝る場合は上振れします。多くのケースで共通しているのは、坪数だけで判断してしまい、実際の見積もりで想定より高くなるパターンです。設備の追加(シャンプー台の数・電気容量・空調)や、内装素材のグレードで大きく変動するため、坪数はあくまで初期の当たりつけと考えます。

坪数 内装工事費の総額目安
7坪 400万〜700万円(坪単価70〜80万円前後)
10坪 700万〜1,200万円
15坪 900万〜1,500万円
20坪 1,000万〜2,000万円

業態別に費用はどう変わるのか?

ポイントは3個:
① 一人サロンは初期費用を抑えやすい
② 大型サロンは設備が増えて総額大
③ コンセプト重視型は坪単価が上がる

業態により、内装工事費用の傾向は大きく異なります。一人サロン(1〜2席)は坪数が小さいため総額も抑えやすく、400万〜700万円程度に収まるケースが多く見られます。中規模サロン(3〜5席)は700万〜1,500万円、大型サロン(6席以上)では設備数が増えるため2,000万円を超える場合もあります。コンセプト重視型のサロンは、内装素材や照明・什器にこだわるため、同じ坪数でも坪単価が上がる傾向があります。業態選びは資金計画の全体像を左右するため、開業前のコンセプト設計と連動して考えます。

業態 坪数の目安 総額目安
一人サロン(1〜2席) 7〜10坪 400万〜700万円
中規模(3〜5席) 10〜15坪 700万〜1,500万円
大型(6席以上) 20坪以上 1,500万〜2,000万円超
コンセプト重視型 同坪数でも坪単価アップ 同坪数比 1.3〜1.5倍

内装工事費の内訳はどうなっているか?

ポイントは3個:
① 設計費・工事費・什器費に分かれる
② 設計費は工事費の10%程度
③ 電気/給排水/空調が高額項目

内装工事費の内訳は、設計費・解体工事・内装工事(床・壁・天井)・電気工事・給排水工事・空調工事・看板/サインの7項目に整理できます。設計費は工事費全体の10%程度が目安で、規模が大きくなるほど比率は下がる傾向があります。電気工事はシャンプー台や設備の電源容量に応じて増減し、給排水工事はシャンプー台の数と配置で決まります。什器費(セット椅子・シャンプー台・鏡台等)は内装工事費とは別に見積もることが多く、150万〜500万円程度が目安です。年間108店舗の開業をサポートしてきた経験から言えるのは、内訳を細かく確認したサロンほど、不要なコストを削減できる余地が見つかりやすいという点です。

項目 工事費全体に占める割合の目安
設計費 10%前後
解体・下地工事 10〜15%
内装工事(床・壁・天井) 30〜35%
電気工事 10〜15%
給排水工事 10%前後
空調工事 5〜10%
看板・サイン 5%前後

什器・設備費はどれくらいかかるのか?

ポイントは3個:
① 什器費は150万〜500万円が目安
② シャンプー台とセット椅子が中心
③ 中古・リースで抑える方法も

什器・設備費は、内装工事費とは別に150万〜500万円程度が目安です。シャンプー台1台につき30万〜80万円、セット椅子1台につき10万〜30万円、鏡台や什器収納で50万〜150万円といった構成が一般的です。3席の中規模サロンなら合計200万〜400万円程度、5席なら300万〜500万円程度が目安になります。中古品やリース契約を活用すれば、初期費用を抑えられる場合があります。多くのケースで共通しているのは、什器費を新品前提で見積もると総額が跳ね上がるケースで、優先順位を決めたうえで品目ごとに検討するのが現実的です。

什器 1台あたりの目安
シャンプー台 30万〜80万円
セット椅子 10万〜30万円
鏡台・什器収納 50万〜150万円
カラー剤ワゴン・小物類 10万〜30万円

内装工事の期間はどれくらいかかるか?

ポイントは3個:
① スケルトンは2〜3ヶ月
② 居抜きは2〜4週間
③ 開業スケジュールと連動して計画

内装工事の期間は、スケルトンで2〜3ヶ月、居抜きなら2〜4週間が一般的な目安です。スケルトンは設計期間3〜4週間、施工期間1.5〜2.5ヶ月の合計で、規模が大きくなるほど長期化します。居抜きの場合、既存の内装を活かすため大きな工事は不要で、クリーニングと部分修繕で2〜4週間で完成するケースもあります。開業予定日から逆算して工事期間を計画し、保健所検査までの日数も考慮します。多くのケースで共通しているのは、工期を短く見積もり過ぎて開業日に間に合わないパターンで、余裕を持って計画するのが基本です。

内装費を抑える方法はあるのか?

ポイントは3個:
① 居抜き活用が最も効果的
② 相見積もりで20〜30%抑えられる場合も
③ グレードとデザインの優先順位

内装費を抑える方法は、居抜き活用・相見積もり・グレード選定の3つに整理できます。居抜き物件を活用すれば、内装費を大幅に削減でき、開業資金全体の負担が軽くなります。相見積もりは3〜5社から取り比較することで、20〜30%程度の差額が出るケースもあります。グレード選定は、床材・壁材・照明・什器といった項目ごとに優先順位を決め、こだわる部分と抑える部分を明確にすることで、コンセプトを保ちながら費用を圧縮できます。年間108店舗の開業をサポートしてきた経験から言えるのは、3つを組み合わせて使ったサロンほど、想定より安く仕上げられる傾向があるという点です。

  1. STEP 1:優先順位を決める
    床・壁・照明・什器のなかで、こだわる部分と抑える部分を明確にします。
  2. STEP 2:相見積もりを取る
    3〜5社から見積もりを取り、同じ条件で比較します。
  3. STEP 3:什器を新品/中古で分ける
    お客様の目に触れる什器は新品、目に触れない備品は中古を検討します。
  4. STEP 4:段階的な追加計画
    開業時は最低限で始め、売上に応じて段階的にグレードアップします。

内装業者はどう選べばよいのか?

ポイントは3個:
① 美容室の施工実績があるかを確認
② 保健所要件を熟知した業者
③ アフターサポートも比較材料に

内装業者の選定は、内装工事の成否を大きく左右します。まず、美容室の施工実績があるかを確認し、過去の事例を見せてもらいます。次に、保健所要件(消毒設備・作業面積・給排水など)を熟知した業者かをチェックし、事前相談への同行可否も判断材料にします。アフターサポート(工事後の修理・調整・保証期間)も比較して、長期的なパートナーとして選ぶことが重要です。支援の中で気づいたのは、価格だけで選んだサロンほど、施工後に細かな不具合が続いて対応に困るケースが多いという点で、実績と対応力を優先するのが安全です。サロン専門の店舗内装デザインを活用すると、保健所要件と資金計画を両立した提案を受けやすくなります。

内装費と融資・資金計画の関係は?

ポイントは3個:
① 内装費は融資希望額の中核
② 自己資金と融資の配分を計画
③ 見積書は融資申込みの必須書類

内装費は、開業資金全体の大半を占めるため、融資申込みの中核となる金額です。自己資金200万円以上(エリアや規模により変動)と融資額を組み合わせて開業資金全体800万〜1,500万円程度を確保する計画で、内装費の見積書は融資申込書と一緒に提出する必須書類の一つになります。金融機関は見積書の妥当性を審査に反映するため、複数業者の相見積もりを取っておくと信頼性を担保できます。多くのケースで共通しているのは、内装業者と融資申込みを並行で進めるサロンほど、開業スケジュールにブレが少ない傾向があるという点です。

内装工事費用に関するよくある質問は?

ポイントは2個:
① 相見積もりと段階的計画が費用管理の鍵
② 融資と工事のスケジュール連動が重要
Q1. 内装工事費用は分割払いできますか?
A. 業者によっては着手金・中間金・完了金の3回払いなどが可能な場合があります。融資実行のタイミングとあわせて業者と支払いスケジュールを調整すると資金繰りが楽になります。
Q2. 相見積もりは何社くらい取ればよいですか?
A. 3〜5社が目安です。1〜2社だと比較材料が少なく、6社以上は選定と調整の手間が増えるため、3〜5社がバランス良く判断できます。
Q3. デザイン会社と施工会社は分けたほうがよいですか?
A. 分業のメリットは専門性の高いデザインが得られる点ですが、意思疎通のロスや調整コストが増えます。中小規模の美容室は一貫請負のほうがスムーズなケースが多く見られます。
Q4. 什器はレンタルやサブスクで揃えられますか?
A. シャンプー台や什器のリース・サブスクサービスもあります。初期費用を抑えられる一方、長期的にはコストが割高になる場合もあるため、開業3〜5年の収支シミュレーションで判断します。
Q5. 追加工事はどれくらい発生しがちですか?
A. 見積額の5〜10%程度が追加費用として発生するケースが多く見られます。予備費として当初予算に組み込んでおくと、追加工事が発生しても資金繰りに影響しにくくなります。
Q6. 内装工事は建築士に依頼する必要がありますか?
A. 100㎡未満の小規模テナント工事なら建築士の関与は必須ではないケースが多くあります。ただし構造変更や消防関係で必要になる場合もあるため、業者に確認してください。
Q7. 見積書の内訳は細かく確認すべきですか?
A. 必ず細かく確認します。「一式」と書かれた項目は内訳を求め、材料費と工事費の内訳が分かる状態にすると比較検討がしやすくなります。

まとめ|内装費用で取るべき判断は何か?

  • ● スタンダードグレードの坪単価は70〜80万円前後が一般的です。
  • ● 坪数別総額は7坪400〜700万円、20坪1,000〜2,000万円が目安です。
  • ● 一人サロンは400〜700万円、大型サロンは2,000万円超も想定します。
  • ● 什器費は150万〜500万円で内装費とは別枠に計上します。
  • ● 相見積もりで20〜30%の差額が出ることもあります。
  • ● 内装費の見積書は融資申込みの必須書類となります。

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