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2027年予測と開業者数を解説
「美容師って今何人いるの?」「理容師はなぜ減り続けているの?」「年間どれくらいの美容室が開業しているの?」—— こうした疑問に、厚生労働省「衛生行政報告例」の最新データと独自の予測分析でお答えします。 2026年現在の実態から2027年の見通しまで、業界の全体像を数字で読み解きます。
2025年3月末 最新公表値
令和6年度 衛生行政報告例(2025年10月21日 厚生労働省発表)
厚生労働省が2025年10月21日に公表した「令和6年度 衛生行政報告例」によると、2025年3月末時点で美容所数は27万7,752軒に達し、過去最多を更新しました。一方、理容所は10万7,995軒と11万軒の大台を割り込み、業態間の明暗がさらに鮮明になっています。
美容師数(従業者数)については施設数の確定値に過去のトレンド変化率を適用した推計で約58万7,900人、理容師数は約19万4,300人と見られます。美容師は30年以上にわたって増加を続ける一方、理容師は令和5年度に20万人の大台を割り込み、その後も減少ペースが加速しています。
過去最多更新中。30年以上連続で増加。
令和5年度に20万人割れ。減少が加速。
コンビニの約4.9倍。過去最多を更新。
11万軒台割れ。2012年から13年連続減少。
「コンビニより多い」は本当か
「美容室の数はコンビニより多い」という表現はよく聞かれますが、データで確認してみましょう。2025年3月末時点の美容所数は27万7,752軒。全国のコンビニエンスストアの店舗数(約5万7千店)と比べると、その約4.9倍に達します。郵便局(約2万4千局)の約11.6倍、薬局(約6万6千店)の約4.2倍という試算もあります。
ただし、この数字は「衛生行政報告例」に基づく登録施設数であり、実際に営業しているサロンの実数は経済センサスによる集計(2021年時点で約16万軒)との間に大きな乖離があることにも注意が必要です。廃業後も登録抹消が遅れるケースがあるためです。
5年間の推移データ
令和2〜6年度の実績値と、令和7〜8年度の予測値
過去5年間のデータを振り返ると、美容師数は令和2年度末(2021年3月末)の54万9,935人から令和5年度末の57万9,768人へと、4年間で約3万人増加しています。増加率は年間1〜2%台で安定的に推移しており、養成学校からの新規参入が毎年1万8千人前後あることが下支えとなっています。
一方、理容師数は同期間に21万849人から19万9,467人へと約1万人減少しています。毎年の新規免許取得者数は1,000〜1,200人程度と美容師の10分の1以下で、高齢の理容師が引退しても後継者が育たない状況が続いています。
| 年度(年度末時点) | 美容師数 | 理容師数 | 美容所数 | 理容所数 |
|---|---|---|---|---|
| 令和2年度(2021年3月末) | 549,935人 | 210,849人 | 258,256軒 | 115,456軒 |
| 令和3年度(2022年3月末) | 561,475人 | 206,747人 | 264,223軒 | 114,403軒 |
| 令和4年度(2023年3月末) | 571,810人 | 204,883人 | 269,889軒 | 112,468軒 |
| 令和5年度(2024年3月末) | 579,768人 | 199,467人 | 274,070軒 | 110,297軒 |
| 令和6年度(2025年3月末)推計 | 約587,900人 | 約194,300人 | 277,752軒 | 107,995軒 |
| 令和7年度(2026年3月末)予測 | 約596,100人 | 約189,200人 | 約280,900軒 | 約105,700軒 |
| 令和8年度(2027年3月末)予測 | 約604,400人 | 約184,300人 | 約284,000軒 | 約103,500軒 |
美容師が増え続ける3つの理由
①養成学校からの安定的な供給:全国に約300校ある美容師養成学校から、毎年1万7〜1万9千人が新規に免許を取得しています。令和5年度の新規免許登録者数は18,329人でした。美容師という職業の人気は根強く、志望者数は一定水準を保っています。
②低い離職率の改善:かつては「美容師の5年以内離職率は約50%」とも言われていましたが、近年は独立開業しやすい環境(面貸し・業務委託サロンの増加)が整ったことで、免許取得後もなんらかの形で美容業界に関わり続けるケースが増えています。
③高齢化の遅れ:理容師と比べると美容師の年齢構成は若く、大量退職による急激な減少が起きにくい構造になっています。人口減少が続く日本でも、当面は美容師数が増加傾向を保つと予測されます。
開業者数(新規開設数)の推移と廃業数
各年度中に新たに開設した美容所・理容所の件数
「開業者数」として実態に近い数値として参照されるのが、衛生行政報告例に収録されている「使用確認件数」です。これは美容所・理容所の新規開設時に保健所が実施する検査件数で、おおむね新規開業件数と見なすことができます(一部に移転・改装による再申請を含む)。
令和5年度(2023年度)の美容所新規開設数は14,304件。令和2年度以降4年連続で1万4千件台を維持しており、コロナ禍も美容室開業への意欲を大きく損なわなかったことがわかります。ただし令和5年度は前年比−4.2%と若干の減少に転じており、2026年以降は1万3千件台に入ってくると予測されます。
美容室の廃業率と「5年生存率」
令和5年度の美容所廃業数は10,123件で前年比9.2%増と急増しました。この廃業数は「(前年末施設数+新規開設数)−年度末施設数」から逆算した推計値ですが、コロナ禍後の物価上昇・人件費高騰・光熱費増加が廃業を後押ししていると見られます。
新規開設14,304件に対して廃業10,123件という数字から単純計算すると、開業した美容室のうち約70%が5年以内に廃業しているとも推計されます(単純計算のため実態とは異なる可能性があります)。開業数の多さが示す通り、参入障壁は低い一方で、継続的に経営を維持することの難しさも数字が物語っています。
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2026年・2027年の数値予測
美容師 +1.3〜+1.4%/年、理容師 −2.6%/年、美容所開業数 −2〜3%/年のトレンドを継続適用した試算
2027年、美容師60万人時代へ
現在のトレンドが続けば、2027年(令和8年度末)には美容師数が60万人を超える見通しです。これは美容師という職業が誕生して以来の史上最多水準です。ただし、日本の総人口が減少を続ける中で美容師だけが増え続けているため、「1人の美容師が担当できる顧客数」は過去最低水準に近づいています。
2025年の市場規模(ホットペッパービューティーアカデミー調べ)は美容室の上期だけで約1兆3,500億円。しかし施設数の増加ペースが市場規模の拡大を上回っており、1施設あたりの売上は構造的に圧迫され続けています。
理容師は2030年代に15万人台か
理容師数は年間約5,000人のペースで減少しています。2030年(令和11年度末)には推計で約170,000人前後まで落ち込むと試算されます。特に深刻なのが地方部で、過疎化と高齢化が重なる市町村では「近くに理容室がない」という状況が現実のものとなりつつあります。
こうした背景から、理容師資格取得の要件緩和や、美容師・理容師のダブルライセンス制度の普及促進が業界・行政双方で議論されています。2024年には国家戦略特区において「理容師資格取得における新たな修学方法」が検討される動きも出ています。
業界が直面する3つの構造課題
数字が示す、美容・理容業界のリアル
課題①:小規模経営と低収益性
1施設あたりの従業美容師数が2.1人という数字は、日本の美容室のほとんどがオーナー+1〜2人スタッフという小規模構造であることを示しています。賃料・人件費・材料費を差し引いた手残りは決して多くなく、物価上昇局面では経営が圧迫されやすい構造です。
この課題に対応するため、近年は「面貸し」「業務委託」「シェアサロン」といった新しい経営形態が普及し、固定費を抑えながら技術者が自律的に稼ぐモデルが広まっています。
課題②:理容業の後継者問題
理容師数の減少は単なる職業選択の問題にとどまらず、地域の公衆衛生インフラの喪失でもあります。高齢者の理髪・爪切り等のケアを担う訪問理容サービスの担い手も不足しており、介護現場との連携強化が急務です。厚生労働省も2024〜2025年度中に理容師制度の見直しを具体的に検討するとしています。
課題③:過当競争と物件コスト
美容所が増え続ける中で、競合環境はますます激しくなっています。特に都市部では好立地の物件取得競争が激化しており、賃料相場の上昇が開業・継続のハードルを高めています。開業時の物件選びで賃料比率を適切にコントロールできるかどうかが、サロンの生存率に直結します。賃料は月商の10〜15%以内に抑えることが一般的な目安とされています。
よくある質問(FAQ)
美容師・理容師の人数に関するよくある疑問にお答えします
② 新規開設数は使用確認件数をもとにした近似値で、移転・改装による再申請を一部含む場合があります。
③ 廃業数は「(前年施設数+新規開設数)−年度末施設数」から算出した推計値です。
④ 主要情報源: 厚生労働省「衛生行政報告例」(令和3〜6年度)。令和6年度分は2025年10月21日公表。